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2024/2025年シーズンのインフルエンザ流行下における 医療従事者のインフルエンザワクチン接種後の抗体価と感染リスクとの関連

2024年5月26日

Japan Institute for Health Security
国立健康危機管理研究機構

 

発表のポイント

  • 本研究では医療従事者を対象に、2024/25年シーズンに日本でA/H1N1株インフルエンザが大流行する直前、同株に対するワクチン接種後の抗体価を調べた。
  • ワクチン接種者は未接種者に比べて抗体価が有意に高かったものの、従来“感染防御に十分”とされる抗体価に達していた者は12.7%にとどまり、コロナ流行前(80~100%)より著しく低かった。
  • ワクチン接種者において、“感染防御に十分”とされる抗体価を下回っていても、その後の感染に対する一定の予防効果が認められた。

発表内容

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行後の数年間、日本ではインフルエンザの流行が抑えられてきました。しかし、2024年12月から2025年1月にかけてA/H1N1株インフルエンザ(注1)が全国的に大流行し、週当たりの報告数は1999年の観測開始以来、最多を記録しました。インフルエンザウイルスに長期間ばく露されなかったことによる、同ウイルスに対する集団免疫やワクチンに対する免疫反応の低下が懸念されています。こうした状況下において、ワクチン接種によって獲得される免疫(抗体)の状況や、その感染予防効果を確かめる必要があります。 国立健康危機管理研究機構(JIHS)の山本尚平主任研究員・溝上哲也部長(臨床研究センター疫学・予防研究部)、大曲貴夫センター長(国際感染症センター)らの研究グループは、旧国立国際医療研究センター職員を対象に、2024年12月初旬に血中のインフルエンザA/H1N1株に対するHI抗体価(注2)を測定し、2025年1月中旬までのインフルエンザ罹患情報と照らし合わせることで、抗体価と感染リスクとの関連を調べました。


本件に関するお問い合わせ

国立健康危機管理研究機構 危機管理・運営局 広報管理部 広報企画室
E-mail: press@jihs.go.jp
https://www.jihs.go.jp/