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センター長あいさつ
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| 杉浦 亙 |
国立健康危機管理研究機構臨床研究センター(CCS)は、質の高い臨床研究を推進し、またそれを支援することを使命とする組織です。8部22室から構成され、臨床試験、企業治験、産学連携、予防疫学、国際連携など、多岐にわたる研究活動に取り組んでいます。
令和7年4月に国立感染症研究所と国立国際医療研究センターが統合され、国立健康危機管理研究機構(JIHS)が発足しました。私たちCCSは、新たな組織の一員として、COVID-19パンデミックで得られた経験と教訓を踏まえ、次なる感染症危機に備えることを重要な使命の一つとしています。特に、有事において国民の皆様に必要な治療薬やワクチン、診断法をより迅速に届けるため、臨床研究の基盤と実施体制の強化に取り組んでいます。
CCSが重点的に取り組んでいる課題の一つに、革新的な医薬品、医療機器等の研究開発の推進があります。とりわけ、新薬開発の早期段階における治験を円滑に進めることを目指し、令和7年度から「先端医療科」を国立国際医療センター(NCGM)内に創設するとともに、病棟や実施体制の整備を進めています。
また、私たちは国際的な臨床試験にも力を入れています。特に、日本で開発されたワクチン、治療薬、検査試薬などについて、各国の研究機関と連携しながら臨床試験を実施し、国際的な展開を支援しています。
ARISEは、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ベトナムの5か国と連携するアジアの臨床研究ネットワークであり、この地域で流行する感染症を対象とした臨床研究に取り組んでいます。さらに、私たちの活動はアジアにとどまらず、アフリカや南米にも広がりつつあります。令和7年には、フランス・パスツール研究所および熊本大学とPIUを締結し、アフリカおよびアジアにおけるHBV母子感染予防に関する研究にも取り組んでいます。
臨床試験におけるデータ管理を担うJCRACは、試験情報の安全性と品質を確保するため、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO 27001、および品質マネジメントシステムの国際規格であるISO 9001を取得しています。JIHS内の研究のみならず、治験をはじめとする外部研究機関のデータマネジメントも担い、信頼性の高い臨床研究の実施を支えています。
さらに、我が国では新薬開発に要するコストが諸外国に比して高いことが指摘されています。その課題に対応する一つの方策として、私たちはクリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)にも取り組んでいます。これは、これまで各種臨床試験や医療現場で蓄積されてきた医療情報を、個人情報保護と倫理的配慮のもとで適切に利活用し、新薬開発や医療技術の発展に役立てることを目指す取り組みです。
以上のように、CCSでは、医薬品、医療機器、診断法の開発を促進するための多様なプロジェクトを進めています。これらの取り組みを有機的に連携させることで、優れた新薬や医療技術を一日も早く患者さんに届けることができるよう、職員一同、全力を尽くしてまいります。
今後とも、皆様のご指導とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2026年4月
臨床研究センター長
杉浦 亙